生産性を上げて5時に帰る。

民間→小学校教員 毎日5時に職員室をさる。その実現のための『生産性の高い教師の働き方』を中心に呟きます。最小の労力で最大の成果を生み出す。目指すは ビジネスと教育の融合。

#76 ティール組織を学校に

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ティール組織

今、話題のティール組織。

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

 

 

マッキンゼーフレデリック・ラルー氏のベストセラーで、新しい組織の在り方として大注目されています。

ティール組織では、以下のようなパラダイムを経て、ティールへたどり着くとされています。

 

 

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それを学級にあてはめて考えてみました。

おそらく、ティール組織を学校に当てはめて言語化するのは、日本初の試みのはずです。

 

 

衝動型(レッド)学級

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このパラダイムにおける、組織の原動力は「恐怖」です。

残念ながら、学校現場は未だに、こういった原始的パラダイムの価値観が、指導力として賞賛される現実が現存しています。

 

子どもたちは「怒られたくないから」という理由に突き動かされて行動します。

そこには、子どもたちの主体的・自律的成長という観点が決定的に欠落しています。

リーダーを立てても、教師がその頭越しに影響力を及ぼすので機能不全に陥ります。

メタファとして用いられるのが、オオカミの群れです。

 

以下引用

オオカミの群れはよい比喩だ。オオカミの群れはでは「アルファ・ウルフ」と呼ばれるトップが、自らの地位を維持するために必要に応じて力を使う。これと同じく、衝動型組織の長がその地位にとどまるためには、圧倒的な力を誇示し、他の構成員を無理やり従わせなければならない。

    ティール組織 P32 衝動型組織

 

特質的な点として、このレッド学級にとって、最も大切なものは「今」だということです。

 

学級担任は『今』クラスが荒れないことを最も重要視し、

学級児童は『今』クラスで怒られないことを最も重要視します。

 

繰り返しになりますが、これでは子どもの本質的な成長は置き去りになります。

しかし、これが賞賛される風土は、未だ存在しています。

 

順応型(アンバー)学級

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担任の価値観への忠誠さが絶対視されます。

一番わかりやすいメタファは官僚のシステムです。

先生の言うことは正しいから絶対だという価値観を持つかどうかが、担任の評価となります。

多くの場合、この担任の価値観は昔ながらのもので、過去に成功したことは未来でも成功すると盲目的になってしまっています。

しかし、時代は二次関数的な変化を遂げている真っ最中です。

そのような価値観のコミュニティの中だけで生きる子どもたちは、視野狭窄に陥るかもしれません。

また、先生のお気に入りか、そうでないかという理由からヒエラルキーが固定されることも想像に難くありません。

 

達成型(オレンジ)学級

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勉強でも、運動でも、とにかく結果を出そうと必死に指導するスパルタ・熱血タイプです。

子ども達の学力が伸びたり、運動競技においても成果が出たりと、クラスが躍動している様子が見て取れます。

普通に良いクラスです。

しかし、そういった熱意を持った強制力が、時に子どもの疲弊をもたらす可能性があります。

その流れについていけずに不信を溜め込んで漏れ落ちる子達が、ライダー化するのかもしれません。

(※ライダー=気力を失い、もはや何もやろうとしない子ども)

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また、教師の指導力に依存しすぎるという側面もあるので、次年度以降の持続可能性に疑問符が残ります。

 

多元型(グリーン)学級

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教師からのトップダウンではなく、子ども達の多様性を認め、個々を尊重する文化を大切にする学級です。

成果ばかりを追い求めるのではないので、クラスに安心感がもたらされます。

メタファで用いられるのは、家族です。

共に助け合いながら、生きていこうという温かいマインドです。

さまざまな権限を子どもたちに譲渡し、リーダーを中心に運営されます。

 

進化型(ティール)学級

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ティール学級においては、ピラミッド型組織は消失します。

そして、クラスの中心には存在目的が鎮座しています。

その存在目的に紐つけられた個が、組織内で生命体のように躍動します。

生命を維持して子孫を残すというミッションを達成するために、それぞれの細胞が強みを生かして機能することと似ているかもしれません。

 

存在目的はクラスによってチューニングされるかもしれませんが、大局的には「みんなで成長しよう」というシンプルなものとなるはずです。

 

そこでは、必要性に応じてグループが出来たり、解散したりします。

問題を解決する力を持った子どもが、一時的にそこでリーダーになりますが、それはあくまでも一時的なもので、絶対的ではありません。

 

宿題も存在しません。

自律し、必要に応じた学習を自分達で考えます。

分からないことがあったら、個の強みを生かして教え合います。

 

教師は自律する学級の管理者です。

何も強制はしません。

 

このようなシステムを敷くことで、子ども達の真の自律性が育っていくのではないでしょうか。

 

実際にこのような学級を作り上げている仲間もいます。

 

課題

前回のブログ記事でも書きましたが、大きな問題はレッド教師指導力があるという価値観が現存していることです。

 

saru.hatenadiary.com

 

子どもの本質的な成長を阻害する、シュドゥント指導にエネルギーに費やすことを正義とするような価値観は、ゴミ箱に投げ捨てられるべきです。

 

しかし、こんな正論が現場で通用しないことも、また現実です。

それぞれのパラダイム間でマウントを取り合うエネルギーも、また無駄です。

 

僕の中で、答えは出ていません。

 

とにかく、それぞれがティールのレンズに換装して、学校現場の本質を見ることは大切でしょう。

 

しかし、その価値観を、錦の御旗よろしく振りかざしても、現場で歪みを生むだけです。

 

ティールのレンズへの換装をした人は、そもそも他者を貶めるようなことをしません。

 

まずは現場における他者へのリスペクトを忘れず、少しずつその価値観を染み渡らせることができれば良いのではないでしょうか。

 

果たして、爆発的な学校組織のイノベーションを起こすには、一体どうすれば?

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