生産性を上げて5時に帰る。

民間→小学校教員 毎日5時に職員室をさる。その実現のための『生産性の高い教師の働き方』を中心に呟きます。最小の労力で最大の成果を生み出す。目指すは ビジネスと教育の融合。

#74 ブラック授業、してませんか?

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牛丼業界のトレードオフの明暗

 

2013年、すき家牛すき鍋定食という商品が、ある問題を引き起こしました。

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 全国でこんな状態の店が続出。

 

そして…

 

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人手不足から閉店する店が続出。

 

そのプロセスは以下の通りです。

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では、なぜすき家はこのような状況に陥ってしまったのでしょうか。

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その背景には、ライバル社の吉野家のある商品の存在があったと言われています。

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それは、牛すき鍋膳。 

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牛丼の価格競争をいつまでも続けていてはジリ貧になると感じた吉野家は、思い切って単価を上げた商品を投入する戦略を取り、それが大ヒットしたのです。

 

それを見たすき家「ほなうちも同じようなやつやるで!」となり、ソックリさんの牛すき鍋定食をメニューへ投入しました。

 

しかし・・・

 

すき家は見事に現場が破綻しました。

その理由の一つは、すき家のワンオペの存在。

吉野家は基本的に一人で店を回すワンオペはないのですが、すき家ではワンオペがあった。

残念ながら、すき家には牛すき鍋定食をメニュー化しても、店舗を安定運営するキャパシティがなかったのです。

 

これはトレードオフという概念を無視したものです。

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価格競争を諦め、高価格路線へシフトした吉野家

これがトレードオフの成功例です。

 

価格競争で勝利し、低価格路線を走っていたすき家

そこで欲張って無理に高価格路線にも参入したところ破綻。

これがトレードオフを無視した失敗例。

 

しかし、ここからの対応はさすが外食界の雄であるゼンショーグループ。

問題点を解決し、再び安定運営への軌道修正を成功させました。

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あれ、これ何のブログだったっけ?

教育ですよね?

 

安心してください。

この話が今から授業作りへと繋がります。

 

授業のトレードオフ

主体的・対話的で深い学びという言葉が出てきて以来、あちこちの指導案にその文言が踊るようになりました。

先に言っておきますが、僕はこの考えに肯定的です。

 

しかし、全ての授業において、杓子定規に主体的・対話的で深い学びをやってていいのか?

 

答えは、NOであると考えています。

 

ここでは便宜上、レーニング型の学びをその対義語とします。

 

2年生の、ある1時間の授業内容を紹介します。

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教科書です。

適応題が10問有ります。

 

そしてこれが終わったらワーク。

同じく適応題が10問。

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これを全員が授業内で終わらせようとすると、一斉授業に割ける時間は一体、どれだけあるのでしょうか。

 

そこに、主体的・対話的で深い学びを取り入れる余地はあるのでしょうか。

 

正直なところ『無い』と思います。

この授業においては、『十の位が空位の場合の計算が出来るようになる』ためのレーニング型の学びに力点が置かれるべきです。

 

要するに、レーニング型の学び主体的・対話的で深い学びは、一定のトレードオフの関係

にあると考えます。

 

その考えを元に、力点をしっかりと抑えて時間をマネジメントしないと、溢れ落ちる子が続出してしまいます。

「あぁ、いっぱい話し合いしたから時間なくなっちゃったね!はい、残り5分でワーク終わらしてねぇ!出来ない人は休み時間にやっといてね!」

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「んなもん無理に決まっとるがな!」

 

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勉強が得意なランナー層や自力でクリア出来るジョガー層の子は何とかなるでしょう。

しかし、勉強が苦手なウォーカー層の子にとって、これは相当な負担とストレスになります。

 

直しは溜まるは、遊びに行けないは、叱られるわ…

 

これを繰り返すと、担任に対する不信負債が溜まっていき、それがデッドラインを超えた時、その子はライダー化してしまうのではないでしょうか。

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今年初めて低学年担任をしています。

低学年担任にとっての大切なミッションは、ライダー候補の子をライダー化させないことだと、最近思うようになりました。

 

高学年が大変な理由の1つは、その前の段階でライダー化した子の存在にあると感じます。

 

牛丼業界と同じく、トレードオフの考えを持ち、どちらかに力点を置いて子どもたちに理不尽な負担のない授業デザインを心がけることが大切なのではないでしょうか。

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「教員の仕事は多すぎる!」

という声を上げる一方で、子どもたちに同じことを強いている現実は大なり小なりあるはずです。

十分な時間を与えずに、無理な量の問題をやらせるブラック授業してませんか?

 

それによる不信負債は、巡り巡ってお互いを不幸にする結果を招くことになるかもしれません。

しかし、それでは誰も得しません。

子どもと教師がwin-winとなる道を目指しましょう。