生産性を上げて5時に帰る。

民間→小学校教員 毎日5時に職員室をさる。その実現のための『生産性の高い教師の働き方』を中心に呟きます。最小の労力で最大の成果を生み出す。目指すは ビジネスと教育の融合。

#58 教材研究の生産性を上げる

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今日の子どもは多動化しています。

ここでいう多動化とは発達障害的な視点のことではなく、時代性に伴う多動化です。

水曜7時にテレビの前へ行き、チャンネルをフジテレビに合わせドラゴンボールを30分見るという、極めて受け身的な情報受信のスタイルがスタンダードであったのが、四半世紀前の子どもです。

 

それに対して、スマホタブレットで好きな動画をいつでもどこでも見られて、つまらなければ直ぐに次の面白そうなコンテンツを探すといったスタイルがスタンダートになったのが、今日の子ども。

 

授業というコンテンツを提供する立場にある教師にとって、より難しいのは明らかに後者である今日の子どもです。

 

ツマラナイモノは拒絶するという文化に慣れ親しんだ今日の子どもに取って、ツマラナイのにスキップせずに最後まで見続けなければならないという授業文化は、到底受け入れられないものなのです。

 

だから、授業をオモシロイコンテンツへとしていくことは、必要不可欠なことです。

 

しかし、毎回ゼロベースでオモシロイ授業をデザインしようたって、それは非常に困難…

 

そこで、僕は基本的に二つのフレームを使って授業をチャッチャッとデザインしています。

探求型のイシュードリブン、そして習熟型のゴールドリブンです。

フレームに落とし込んでルーティン化することにより、思考は安定し、高速化されます。

 

❶探求型授業フレーム イシュードリブン

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イシューとは「良質な問い」と定義します。

それは一問一答的な問いではなく、大局的でエッジの立った問いである必要があります。

 

そして、授業の最後には、そのイシューと対になる結論をアウトプットさせます。

自分なりの結論を完成させるために、授業の中でインプットとアウトプットのサイクルを回して素材を獲得させます。

イシューの設定には一定のセンスが問われます。そのセンスを磨くためのヒントとなるのが、NHKのブラタモリです。

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ブラタモリでは、番組の冒頭で、タモリがその旅において明らかにすべき問いが提示されます。

これは毎回、非常に美しいイシューとなっています。

最近の放送におけるお題をザッと見て見ましょう。

#106萩 「萩はなぜ世界遺産になった?」

#105伊豆「どうして越えたい天城越え?」

#104宇治「なぜ、宇治は天下一の茶所となった?」

 

これらの問い(イシュー)への結論を出すため、タモリはブラブラと町を歩き回るのです。

ブラタモリという番組のスタイルは、イシュードリブン型授業を、まさしく具現化したものです。

 

イシュードリブン型授業(結論収束型)

イシューに対する結論が事実へと収束していくタイプです。算数、理科はこのタイプに分類されることがほとんどです。

 

5年生 算数 

イシュー「平均って、どうすれば分かる?」

結論  「全部足して、個数で割ればいい」

 

4年生理科

イシュー「水はどうやって温まっていく?」

結論  「温度の高くなった水が上へ上へと動き、だんだんと全体が温まっていく=対流」

 

イシュードリブン型授業(結論拡散型)

イシューに対して、結論が拡散していくタイプです。国語、社会科で特に有用です。ディベートやディスカッションに向いています。

 

3年生 国語 

イシュー「じさまの腹痛って本当?」

結論A  「本当。優しいじさまが、かわいい豆太に、そんなあぶないことをさせたりしないはず」

 

結論B  「うそ。豆太に強くなってほしいと願って、仮病をした。」

 

3年生社会

イシュー「多くのお客さんに来てもらうための工夫とは?」

結論A「接客を良くするために、従業員に指導している」

結論B「品切れにならないよう、在庫を管理する」

結論C「お店を清潔にするため、毎朝掃除をしている」

 

❷習熟型授業フレーム ゴールドリブン

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 習熟に力点を置いた授業向きです。ゴールの定義は、読んで字のごとく、その授業におけるゴール。それをとことんシンプルに提示し、すべきことを圧倒的に明確にします。

イシューは必ず疑問形になりますが、ゴールは肯定文になります。必要に応じて、授業の振り返りをさせます。この場合は、自分自身のメタ的な変容を分析し書かせると良いでしょう。

 

ゴール 「小数と整数のたし算が出来る。」

まとめ 「整数の一の位の右下に見えない小数点があることを知った」

 

ゴール 「漢字の広場の全ての言葉を使って文章を書く」

まとめ 「活気という言葉は、あふれると組み合わせて使うと良いことが分かった」

 

❸小さな授業

授業をデザインする際、無駄にあれこれ考え過ぎるうちに本質を見失うことがあります。これは、時間のロスと、子ども達の混乱という二重苦を生みます。

そうならないために、イシュー→結論ゴール→振り返り、この最短距離だけを見ます。

そうすることで、授業デザインの高速化と、思考の整理が進みます。板書をする際にも、対となるこれらを、隣同士に書くことをオススメします。

授業のデザインを、より小さく、しかしより良く

これは、エッセンシャル思考に基づく授業デザインです。ちなみに、背景にあるのは、1954年にブラウン社のディーター・ラムスがデザインしたレコードプレイヤーです。  

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様々な機能が満載され今日のオーディオプレイヤーよりも、シンプルで美しさを感じます。授業も同じではないでしょうか。無駄な機能や情報を排除し、必要最低限のデザインをする。

これこそが小さな授業です。