生産性を上げて5時に帰る。

民間→小学校教員 毎日5時に職員室をさる。その実現のための『生産性の高い教師の働き方』を中心に呟きます。最小の労力で最大の成果を生み出す。目指すは ビジネスと教育の融合。

#35 指導の生産性〜北風と太陽〜

『指導の生産性』という概念。

 

それは指導に投下する労力に対し、いかに子どもの変容という成果を得ることが出来るか。

 

しかし、ずっと心に引っかかっている現象がありました。

 

それは、投下すれば投下するほど、マイナスの成果を生み続ける指導の存在。

 

「これって何なんだろう?」とずっと思っていましたが、やっとアウトプットできるレベルになったので発信します。

 

非常に長いですが、指導の生産性を上げるために、じっくり読んで頂けると幸いです。

 

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1.北風と太陽のお話

 北風太陽が強いのは自分の方だと言って、ゆずりません。そこで、通りかかった旅の男のマントをひきはがした方が、強いということになりました。さあ、北風と太陽、どちらが勝ったでしょう。

 

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そう、ご存知の通り、勝ったのは太陽。

これと同じ現象が日本各地の教育現場で起こっているのではないでしょうか?

 

太陽が勝ったのは、その戦略が良かったから。

 指導で成果を上げるために大切なのことは、正しい戦略効果的な戦術。そう断言します。

 

2.戦略と戦術

戦略と戦術、どう違うの?

 

それは戦争に当てはめて考えると分かりやすいです。

戦略

「A島を占領しよう!」

「B島を占領しよう!」

この方向性こそが戦略。

戦略には正誤があります。

もし、戦略上の要衝となるA島を占領できたら、それは正しい戦略です。

 

しかし、戦略的に何の意味もないB島を占領したら、自軍にとっては兵力を疲弊させるだけのマイナスになるので、誤った戦略だと言えます。

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戦術

戦略決定後、

「ミサイルを撃ち込もう!」

「竹槍で攻め込もう!」

など、どう攻略するかが戦術。

 戦術には強弱があります。

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3.北風戦略と太陽戦略

戦略を以下の2つに分けて考えます。

プラスと効果をもたらすものを、太陽戦略

マイナスの効果をもたらすものを、北風戦略

 

学校現場におけるよくある事例をもとに考えていきたいと思います。

 

事例:高学年男子数名が掃除時間にサボって、たむろしている。

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※あくまでもイメージです。笑

 

北風戦略・強戦術

「おい!何で掃除時間にこんなとこでサボってんねんゴラァッ!!ちゃんと…(以下省略)」

 言ってることは正しいですが成果は生みません。これで子どもが変わるなら、教師なんてイージーなお仕事です。

 

北風戦略・弱戦術

何でこんなとこにいるの?早く掃除行きや」

強戦術よりマシですが、プラスにはなりません。

 

太陽戦略・弱戦術

「はいはいー、掃除時間やで。掃除行くん嫌なんか。何で嫌なん?(中略)そうかぁ、まあ掃除するんはみんな面倒くさいもんな」

 

ニュアンスが伝わるでしょうか?一旦その子たちの気持ちに寄り添うことにより、少しはプラスになる可能性があります。

 

太陽戦略・強戦術

「おっ!またサボってんのか?笑」

こんな表情をイメージして。

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一緒にヤンキー座りをして輪に入って…

 

「先生もなあ、昔はようサボって先生に怒られたわ」

 

「最近Aはサッカー頑張ってるんか?そうかそうか、先週ゴール決めたんか!やるやん!来週は決勝なんか。次も決められるといいなぁ。まあ、多分無理やろうけどな…笑」

ドッと輪で笑いが起こる。

「うっさいわ!決めれるわ!」

なんてムキになりつつ、嬉しそうな顔をするA。

 

何で掃除行きたくないんや?」

 

「そうかそうか、先生とかクラスメイトからの視線が冷たいんか」

 

何でそう感じるんや?」

 

「そうかそうか、勉強が出来ひんでイライラして邪魔してしまうんか。そうか、そりゃイライラするわなぁ…」

 

(中略)

 

「ほなとりあえず、教室の前まで行こうぜ。もうすぐチャイムも鳴るしな」

 

あくまでも、これらは架空のシチュエーションで個人的に妄想したものです。

 

北風戦略で大声出して、青筋立てて怒っても子どもたちにプラスにならないことは誰もが分かるところだと思います。むしろ、どんどん「何も俺らのこと分かってへんくせに!」というフラストレーションと不信感を溜めこませるというマイナスの成果しか生みません。

 

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 図式化したものが、コレです。

 

 

4.なぜなぜ分析

 先ほどの文中で何でという言葉を赤字にしました。関西弁では「何で」になるのですが、共通語では「なぜ」ですね。

 

実は北風戦略における『何で』はマイナスの『何で』です。だって、答えようのない『何で』だから。実は知らず知らずのうちに、教師はこの答えようのない『何で』をイライラしながら無数に投げつけて、子どもたちにマイナスを及ぼしていることって多いと思います。

 

それに対して、太陽戦略における「なぜ」は寄り添うためのプラスの『何で』でした。

 

こうやって、「なぜ」を繰り返し原因を深掘りしていき、真因を突き止めようとする手法を「なぜなぜ分析」「5why分析」と呼びます。

これは、トヨタ発祥の超有名なフレームワークです。

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子どもたちの負の行動をなぜなぜ分析していくと、結局のところ真因は子どもの責任には絶対に辿り着きません。

 

真因は家庭環境だったり、LDやADHDといった発達障害だったり…

 

また、なぜなぜ分析をしている過程で「この先生、俺のこと理解しようとしてくれてる」という感情を生みます。

 

こういう子たちは、勉強は全く分からなくても、大人が自分をどう思っているかは確実に察します。

 

まとめ 

北風を勢いよく吹き付けて、マントを飛ばそう飛ばそうとするほど、子どもたちはマントを力強く握りしめます。

 

学級(学校)経営が上手くいかないと、イレギュラーが頻発し、仕事は雪だるま式に増えていきます。

 

今回の内容はあくまでも一例ですが、今行っている指導は太陽なのか、北風なのかを考えることは大切だと思います。

 

指導に擬装された『ただイライラを子どもにぶつける』行為を連発するという戦略上の致命的なミスが、全国で学級崩壊を招いている主要因だと私は考えています。

 

今回の記事は、自分の数々の失敗を振り返りながら、自戒も込めて書きました。

 

指導の生産性を上げることは、間違いなくA領域の仕事です。

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